日常私が気をつけていること、続き。

さて、習慣と一口に言いますが、私たち人間は幼少期のとても吸収力のある、成長率の高い時期にあらゆる体感、五感を使ってその感触を記憶しています。これがインナーチャイルドです。歯磨きが好きか嫌いか、ということひとつとっても、この歯磨きという行為に様々な思い出のような記憶がくっついています。

幼い時にお母さんと楽しく歯磨きをして、とても褒められて、気持よくなって、きれいな歯になって、学校に行ってもみんなに褒められた、というような体験があれば「私は歯磨きが好き。歯磨きが得意。歯磨きってとっても重要で、良いこと。」というふうに認識されます。

そして一生続く歯磨きという行為は自分に幸運をもたらしてくれる行為となり、毎日費やすその時間はポジティブなエネルギーを帯びる時間になります。

毎晩歯磨きの時間になるとお父さんが不機嫌に帰ってきて、お母さんが緊張したり忙しくなってイライラしたり怖がったり、というようなことが繰り返し起こるとすれば、歯磨きは不吉な予感とセットで記憶されます。そのうちお父さんが酔っ払ってお母さんに大きな声で文句を言い始め、お母さんのつらそうな顔を見ながら心配な心持ちでお布団に入ることが続けば、夜眠ることは心配と不安とセットで記憶されます。

おとなになってこういった環境から脱出できても、歯磨きやお布団に入るという日課はこういった記憶を感覚的に呼び覚ますスイッチになります。そうすると、歯磨きは気が重い、お布団に入るとき心配事や不安がよぎり、眠れない、考え始める、などという現象が起こります。あるがままを楽しむことへのストッパーがかかります。

しかしその原因がまさか、幼少期の歯磨きの記憶だなどというふうには気づきませんから、なにかきっと現在の生活や人生や自分の中に問題があるはずだ、というふうに、少し突っ込んで考える方なら思うでしょう。そして問題探しが始まります。現在のだんなさん、子ども、仕事、会社の人間関係、何かを変えれば問題が解決する、或いは自分の心の中に悪いところがあって、ポジティブになれない。性格を直さなくては、というように考えるようになります。

もしくは意識の仕組みを勉強なさった方であれば幼少期のトラウマが原因で今の自分のようになってしまった、と思うかもしれません。しかし、トラウマが原因、というより、その記憶の仕方自体が誤解なわけですから、大事なのは自分自身の誤解を解いてあげることとなります。これがヒプノセラピー、インナーチャイルドワークです。小さい頃の私はものごとを精密に捉える事ができずに、お布団恐い、歯磨き恐い、というふうに誤解をそのまま受け入れて信じ続けてきた、というのが正確です。しかもその誤解は人間誰もがして当然で、誰もがそのことに気づかない限り今でもその平然と誤解の上で様々な認識や判断をし続けていることになります。

人間関係、コミュニケーションが難しいことの原因もこの点にあります。私が私自身を誤解していることに気づかないまま、他者を理解するのは至難の業です。

誤解を解く、というのは気づきのことに他なりません。自分が思い込んで信じてきたことが本当はそうではなかった、だとしたらその道すがら信じていたことを前提に判断してきたことは意味がなかったし間違いだらけだった、と認めるのはショッキングなことです。ですがこのショックこそが古い概念の崩壊の音色です。そして崩壊のあとには風が流れ光が射します。

習慣を見直すというのは古い自己意識の概念、信念を問い直し、誤解に気づき、返上し、過去の自分の誤ちを(真の自己に)赦してもらうことです。このプロセスが癒しです。

さらに続きます。

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