インナーチャイルドワーク/年齢退行療法(ヒプノセラピー)

私たちは意識によって自己やこの世界、人生を創造している存在です。

その意識はまず大きく二つに分けることができます。

顕在意識と潜在意識です。

 

顕在意識というのは私たちが普段認識できている部分で、理性や思考、また自身で認識できる感情などのことです。

潜在意識はそれよりも深い部分の意識で、感覚や直感的な部分、また自分で認識しないような感情や心の動き、無意識の領域のことをさします。

顕在意識と潜在意識を比較するとその分量、力関係は一対十から百万とも言われていて、潜在意識のほうが圧倒的異に優位だということがわかっています。

つまり、自己を構築しているのは主に潜在意識の力であると言えます。

「こんな自分でありたい」「こういう風になりたい」と考えるのは顕在意識で、「そうしたいのに心がついていかない」「わかっちゃいるのにやめられない」という風に結果を決めるのは潜在意識のほうです。

潜在意識の記憶はお母さんのおなかの中で命を授かってから記録されはじめ、三歳までに基盤になる感受性の大半がつくられると言われています。

その後も五官(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を通して体験を吸収し、その感触(感覚)やその時感じた情動(感情)、またそこから得た教訓(因果)を学習し、評価(良し悪し)を記録をし続け、十三歳くらいになると潜在意識にクリティカルファクターと呼ばれる蓋をしてその作業をほぼ完了します。

その後はよほど衝撃的な刺激でない限り潜在意識の中はあまり変化しません。

「三つ子の魂百まで」という言葉の通り、私たちは幼少期の心の中身をほぼ一生変わらずに持ち越していく生き物です。

インナーチャイルドワークでは、今世の人生の時間を遡り、主に幼少期からお母さんのお腹の中までの記憶(感覚・感情)を再体験します。

インナーチャイルドと出会い、その子(内なる自己・自己意識)と心で触れることで本当の自分と出会う旅が始まります。

通常私たちは、問い直されない、再認識されないままの知覚を通してこの世界を見て、出来事に反応したり判断して生きています。

表層意識ではそう感じていなくても、深層の潜在意識にある「信念」を元に、波長の合う人や物事や出来事を引き寄せ、それに見合った体験をします。

つまり、私たちは意識していようとしていまいと、実は(潜在意識の)「思うようになっている」のです。

ですが、多くの人は人生に対してそう簡単だとは感じていないでしょう。

多くの人が「思うようにならない」「もっと思うようになればいいのに」とか「自分がどう思っているのかわからない」「どうしたいのかわからない」という風に感じながら葛藤を繰り返しているのではないでしょうか。

幼少期のごく初期の無意識な時期に、この大事な心の基盤が作られるという仕組みによって、私たちは自分の内側に知らない自分の心を抱えています。

多くの人がおとなになると、意志の力で心を統制しようと奮闘努力しますが、それは仕組み上不可能なことです。

心は感じるためにあり、理解され受け入れられることで安心し、育つことでより大きな愛へと変容する、人間の最も大切な機能です。

私たちの心は向きあい尊重されることで初めて、健全な成長を始めるのです。

スピリチュアルな成長、霊的成長と呼ばれるのはこのことに他なりません。

特別なことではなく、すべての人間に当てはまるとても当たり前の真実です。

無意識に刷り込まれた心身の習慣は、あたかもそれがあなたの人格だ、とか、こういう性格なんだ、という風に自身に感じさせます。

そして、社会や人間関係の中でそのように振舞うことに慣れてしまうと、今度はその型を自分で変えることがとても難しくなります。

今着ているよろいがまるで自分の一部のように感じられ、それをはずした自分がイメージできず、どう変わっていいのか、何を目指していいのかがわかりません。

年齢退行療法では現在の問題を起こしている感じ方の原因やトラウマ(心の傷)を作った場面に戻り「感じなおし」をすることで「子供時代の認識の誤解を解く」「向き合い受け入れることで学びを終わらせる」「過去の記憶自体をハッピーエンドに書き換える」ということができます。

潜在意識中の、記憶にまつわるイメージを解放する作業です。

一般に年齢退行療法ではトラウマのようなネガティブな記憶の再体験に主眼を置いての施術が多いようですが、私のセッションでは過去のポジティブな記憶を再体験されるケースも多く起こります。そのことによって肯定的なイメージが潜在意識の中で再認識され、自己認識が塗り替えられ、否定的だった自己との関係性がバランスされます。

またこういった体験は赦しにつながっています。潜在意識の中のマイナスもプラスも、受け入れ赦すことで過去から解き放たれ自由になり本来の自己=本質へと近づいていきます。赦しとは癒しそのものです。癒しのキーワードに「手放す」というのがありますが、「手放す」も赦すと言い換えることができます。

インナーチャイルドの問題=トラウマと考えられがちですが、要は、意識の中に愛情の欠如があるかどうかが重要です。しかしもっと言うならその、愛情の欠如を記憶の中に持たない人はほぼ存在していないと言えるでしょう。

すべての人は、愛について学ぶという課題を持ってこの世に生まれてきています。ですからどんな環境に生まれ育ったとしても、家族が円満で恵まれ与えられて過ごしたとしても、無条件の愛を身をもって体現するに至るまでは、私たちは未熟であり、気づきによって統合されていく過程にあります。そういった深遠な意味では「その欠如感じて向きあった人こそが幸いである」とも言えるのかもしれません。

インナーチャイルドの問題はお母さんのハグによって解決することが多く見られます。それは、人間が五感を通して最初に実感する愛のひとつのかたちです。

多くのインナーチャイルドの問題と向き合ってきた結果思うのは、お母さんは、間違うことを怖れるよりも自信を持って愛してあげることが子供≒潜在意識にとって最も大切だということです。実際子供さんの潜在意識には、怖れれば怖れが、自信を持てば自信が記憶されます。

癒しを体験すると、こころにスペースが生まれます。すると実際の生活の中で問題に向き合う勇気や希望がもたらされるのです。こころが自由になると、ハートが開いてゆきます。ハートは愛のセンターです。ハートが開くと存在は大いなるワンネスへと繋がるプロセスを歩み始めます。

もうひとつ重要なポイントがあります。このワークはご自分で自分の内面に取り組んでいらした方に有効に働くことができます。ご自分で過去を整理し、理解、納得をされて許している場合顕在意識での解決ができています。ところが現実のほうはなかなか思うようになっていないケース。

現実は最も正直に今の意識状態を表わしています。現実が不調和を表わすなら、内面が調和していません。潜在意識レベルでの浄化が為されていない状態です。ですから顕在意識レベルで解決していることを、潜在意識に伝えればいいのです。 この場合、催眠状態で退行し、再体験するだけで充分な場合が多いです。顕在意識ではどうなれば調和するかが充分わかっているので再体験した瞬間に調和できてしまうのです。

これらの見解は私のところに来てくださったたくさんのクライアントさんとのセッションの中で教わったことです。催眠の中で彼らが必要としていたものを与える・彼らの声を受け止める・そして叶えるということをイメージー思考ではなく感覚優位の意識内―で行うことで実際にインナーチャイルド≒潜在意識が満たされていきます。

不要なイメージ(思い込み)を浄化し必要なイメージを与える(意図する)ことでチャイルドは本来のユニークな創造を始めます。

潜在意識の変化は、おまじないのように有効期間が過ぎると効果が減るというようなものではありません。 言葉によって暗示を加えるだけのような催眠療法と違い、その人の内面に降りていき、その人のエネルギーの流れに従って誘導していきますのでその変化は深いものとなります。

そして現実の生活での選択・行動に反映され時間の経過=変化した体験という結果を伴ってさらに現実を変容させていきます。


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